冷静に考えると、いっときの性欲と失うものを天秤にかけると絶対に「不倫しない」選択しかありえないはず。

なのになぜ人は不倫に陥るのでしょう?

 

そのヒントになるのが、世界中の膨大な数のカップルを見てきた心理療法士エスター・ペレルの著書『不倫と結婚』です。では、不倫の真の理由とは?

著者エスター・ペレルの答えは「人が不倫の中に発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である」というもの。

つまり、不倫を通して新しいアイデンティティを発見することに人は惹かれ、不倫をしてしまうということなのです。

 

性欲ではない! 心理療法士が明かす不倫に走る本当の理由

 

 

 

円満な家庭でも不倫が起こりうるのは、「新しい自分」を無意識に欲しているからかもしれません。

 

「よーしセックスだ! 不倫だ!」というより、新しい自分への強烈な好奇心との出会いが判断を狂わせるのではと考えられます。

もちろん性欲もここに関わってくるでしょう。性的興奮とは魅力と障害によって引き出されるので、「不倫をしている」という状況そのものが、性欲を呼び起こしている部分が大きいようです。

実際に、不倫関係から晴れて公のパートナーになった瞬間、セックスが盛り下がったり、すぐに破局するケースが多々あります。

「次いつ報酬がもらえるかわからない」という不確定な状況は依存状態を引き起こしやすいという性質も手伝って、不倫中だからこそ人は盛り上がるというのも知っておきたいポイントです。

要するに、「新しい自分を手放したくない」かつ「性的に依存してしまう」から「離婚しないとまずい」とわかっていてもやめられない状態にまでなるというわけです。

不倫された側は激しく自尊心が傷つきます。

人は予測不可能であることは甘んじて受け入れますが、過去は信頼できるものであることを期待します。

積み重ねてきた歴史や日常が汚染されたと感じるのは地獄です。

また、不倫した側もとても辛い日々を過ごすことになります。こうありたいという自分と、現実の自分とのギャップに苦しむなか、パートナーに責め続けられ、それをひたすら受け入れ謝罪を続ける日々。自分で自分を責める状況が人間にとって最もつらいものです。

しかし、ここで重要なのは、不倫は必ずしも「今の関係が悪いから」起こるわけではないということです。円満な関係の中でも、人は「失われた自分」を求めて外の世界へ目を向けることがあります。

 

不倫された側に必要なことは、傷ついた自尊心を取り戻すことです。

 

パートナーとの生活にしかアイデンティティがあるわけではないので、自己評価をパートナーの影響から切り離すことが大切です。

具体的には、新しい趣味を始める、自己成長の機会を見つける、信頼できる友人や家族と過ごす時間を増やすことが、自尊心を回復する助けになります。

一方、不倫した側は相手の傷ついた自尊心を回復する手助けをしなければなりません。

自分の人生においてパートナーがどれだけ重要で中心的な存在であるかを何度も伝え続けること。

言葉だけでなく、行動で示すことが必要です。誠実な姿勢を持ち続けることで、相手の信頼を少しずつ取り戻していくことができるかもしれません。

では、不倫を未然に防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?

 

夫婦関係を長続きさせるために重要なのは、「自分自身の充実」です。

 

恋愛や結婚は「相手を満たすこと」だと考えがちですが、実際には「自分自身を満たすこと」が関係を長続きさせる秘訣でもあります。

また、夫婦間での「変化」を大切にすることも予防策の一つです。

長く一緒にいると、相手を当たり前の存在と考えがちですが、意識的に新しい体験を共有することで、お互いに新鮮な感情を抱くことができます。

たとえば、旅行や新しい趣味を一緒に始めること、普段行かない場所にデートに行くことなど、日常に変化を取り入れることでマンネリを防ぐことができます。

不倫の根底にあるのは「新しい自分を求める気持ち」であり、「性的な魅力と障害の刺激」による興奮状態がそれを後押ししています。

しかし、不倫がもたらす代償は非常に大きく、発覚後の苦しみは計り知れません。

不倫を未然に防ぐためには、夫婦関係の中で自分自身を充実させること、新しい経験を共有することが大切です。

不倫がもたらす一時的な刺激よりも、長期的な関係の安定と深い信頼を築くことが、より豊かな人生につながるのではないでしょうか。