『不倫の心理学』の著者であるスウェーデンの心理学者アンジェラ・アオラは夫に不倫された末に離婚しています。アンジェラは不倫発覚後も関係を継続する夫婦を3つ形に分類しています。

 

「不倫の心理学」その4・サレた側の心理学者が定義する不倫発覚後にも離婚しない夫婦の形

 

過去から抜け出せない自己憐憫タイプ

 

サレた側がシタ側の罪をいつまでも許すことができず、根に持っています。さらにシタ側が再び不倫を行うのではないかと疑って疑心暗鬼。パートナーの行動が常に気になって心が休まることはありません。
シタ側の方はサレた側が離婚を選択しなかったことで、既に不倫を許されたと認識していますが、サレた側は許したワケではありません。経済や育児などの様々な事情で離婚に踏み切れず、しかたなく離婚に踏み切れなかった場合が多いようです。
サレた側はシタ側の恨みがましい言葉や「また不倫をするのではないか」という疑心暗鬼の視線に息苦しく感じています。逆に反発して、パートナーを逆恨みし、この息苦しさから解放されたいと願うように……
このようにシタ側とサレた側との気持ちは大きくズレています。そんな中で1つ屋根の下で暮らすのはお互いにとって地獄の状況です。

 

再構築を軌道にのせるビルダータイプ

 

ビルダータイプの人達は浮気を認識して、受け入れることができます。しかし、それは浮気を乗り越えたワケではありません。2人は以前と同じように続きます。既にある良好な大きな土台があれば「あれは単なる間違いだった。過去のことにしよう」と許すことができます。信頼が激しい情熱よりも重要視されます。自己憐憫タイプよりも安定的で長期的な深い関係が築けます。

 

以前よりもさらに良い関係に探検タイプ

 

前述の2タイプと違って、浮気を変化のための踏み台にして、新しいものを生み出し、より良い未来への種をまくきっかけにします。起こった事を否定したり、痛みを覆い隠すのではなく、互いに寄り添って、燃え上がるような再復興をめざします。もちろん不安や相手を失う恐怖もありますが相手を思いやる気持ちの方が勝っています。このようなカップルは新しい方法で再び寄り添うことに成功します。
このタイプにとっては浮気は交際や婚姻を破綻に追い込むような決定的な出来事ではなく、マンネリを成長に転換することができます。
以上、不倫発覚後にも結婚を継続を続ける3タイプを紹介しましたが、なかなか再構築を成功させることは現実的には難しいものです。

スウェーデンでは不倫の有無にかかわらず夫婦の約半分は離婚し、離婚経験者の42%が婚姻中1回は不倫や不道徳な接点を持った経験があるという統計が出ています。
また浮気が発覚後の54.4%が浮気発覚後すぐに関係を解消しており、関係を続けようとしたカップルも30%はのちに破局しています。不倫を乗り越えられたのは15.5%でした。