スウェーデンの心理学者アンジェラ・アオラの著書『不倫の心理学』で紹介されている不倫シタ側の事例。今回は男性ヨーアルの不倫の顛末を紹介します。
生涯この結婚を続けるつもりだった。彼女と出会うまでは
結婚して13年。ヨーアルは妻と良好な関係でした。ただ数年前から妻が性行為を拒否するようになってセックスレスが続いています。それでも妻には何も不満もなく、一生この家庭を維持していくつもりでした。変化が起きたのは会社の同僚ハイジとの出会い。同じプロジェクトに参加しているうちに親しくなっていきます。ハイジはバツイチのシングルマザーでした。
趣味や価値観も一緒、セックスの相性もいいし、性欲のギャップもありません。ヨーアルはハイジこそ自分が心から求めていた女性だと確信し、夢中になります。
しかし、
「家庭は壊したくない」
一度は冷静になって、
「これ以上ハイジに深入りしてはいけない」と
自らブレーキをかけて、ハイジとは距離を取ります。
それも束の間。やはり会社の同僚だけあって、会わないわけにはいきません。
再び仕事で関わるようになると、すぐに不倫は再燃します。
改めてハイジの魅力を再確認し、ヨーアルは「ハイジなしでは生きていけないし、妻とは一緒に暮らせない」と考え、離婚を決意します。
ヨーアルはハイジに「妻と離婚するから、結婚してほしい」と自分の気持ちを打ち明けますが、ハイジの返答は意外なものでした。
「ヨーアル、あなたは家庭に戻るべきだわ」
ハイジは最初からヨーアルと結婚する気はなかったのです。
全てを捨てて不倫相手の元へ走った男の末路
ヨーアルの願いを断った後も、ハイジはときどきメールでヨーアルを誘います。ヨーアルは惚れた弱みでハイジとの関係を続けていました。
ヨーアルはその関係では我慢ができず、ついに妻と離婚し、ハイジと一緒になろうとします。
しかし、ハイジはつれなくヨーアルのとの結婚を拒否します。ハイジはヨーアルだけでなく複数の男性と同時に交際しており、ヨーアルはその1人に過ぎませんでした。
全てを捨てても手に入れようとした理想の女性はヨーアルの一方的な思い込みが作った幻想に過ぎなかったのです。
話はこれで終わりではありません。
その後、ヨーアルは今度はハイジと同じように、複数の女性と同時に交際するようになりました。その中の一人サラはヨーアルと本気で結婚したいと思っているようです。しかし、サラとの結婚に躊躇しています。すっかりハイジの遊び人気質が感染してしまい、まだまだ複数の女性との関係を続けたいと思っているようです。
ヨーアルは一度の不倫体験によってすっかり、異性との接し方が変わってしまったのです。