「再構築」
不倫などで、一旦壊れてしまった夫婦関係を元に修復することをそう言います。
しかし、一度壊れた関係を元に戻すのは至難のワザです。
夫婦2人共に本当に、以前の幸せな関係に戻そうとする意思と努力が必要です。
再構築を妨げる要因を1つ1つ取り除いていく以外にありません。
片田珠美著「不倫という病」から夫婦再構築の道を探ります。

 

精神科医が語る不倫の再構築か離婚かの分かれ道

 

再構築を妨げる不倫した側の要因

 

不倫された方が再構築を望んでも、不倫した側に再構築したいという気持ちがなければなかなか難しいものがあります。

 

不倫を続けたい

 

不倫関係が居心地よく、大きな快楽を得られた場合は、それを失いたくないので、この願望が強くなります。
夫婦関係には続けるための義務と責任が伴いますが、不倫関係は日常生活の重荷がない文より大きな快楽を伴います。
不倫する人は、スリルと快楽が味わえる不倫と、安定して安心できる両方を味わいたいというズルい考えを持っています。
一度、不倫が発覚して、別れたと言っても、また性懲りもなく密会している場合もあります。

 

全てを打ち明けることへのためらい

 

いくら自分に非があると言っても、不倫した時の状況を包み隠さず話すのは辛いものがあります。
不倫された方も不倫したときの詳細を全て打ち明けてくれなければ、不倫した配偶者を完全に信じることは難しいでしょう。
再構築を本気でめざすならば、全てを明らかにする必要があります。

 

いら立ち

 

一度壊れた関係が元に戻すには時間がかかります。
サレた側もシタ側に対する不信感を完全には拭いきれないので、時々、チクリと過去の過ちを指摘する場合もあります。
そこで逆ギレして、「俺を一生許さないつもりか?」と苛立つとやり直しは遠くなっていきます。

 

失望

 

不倫という大罪を犯しているため、そこを責められたら家庭でも配偶者の関係も息苦しくなるのは当然です。
針のむしろのような状態になるので、なげやりになって構築を投げ出す危険もあります。
サレた側も寛容さを求められます。

 

再構築を妨げる不倫された側の要因

 

今度は不倫された側の再構築を妨げる要因です。

 

恐怖

 

一度、配偶者に不倫された側は、やり直そうと誓ったものの完全には信頼を回復しきれていません。
ほとぼりが冷めたらまた浮気するのではないかと疑うあまり、夫の行動を一々監視するようになると、夫も息が詰まり、妻の側から逃げたくなり、不倫に舞い戻ってしまうので、恐怖もいき過ぎると、家庭崩壊になります。

 

怒りと復讐願望

 

再構築を決めたときは、不倫された側の方が有利になるので、何を言ってもやっても許されるように勘違いしがちです。
しかし、怒りにまかせて、配偶者を責め立てたり、人前で罵倒したりすると、ただでさえ不倫という欲望を断ち切って、再スタートしようとしている気持ちを挫き、シタ側も怒り爆発させて、元の木阿弥になりかねません。

 

罰を与えたいという願望

 

怒りがおさまらず、家族のいない寂しさを味あわせようと、相手抜きで家を出ても逆効果になります。
元々、シタ側は今がチャンスと、家に相手をよんだり、新しい出会いを探すかもしれません。
離婚する覚悟を決めて行動するのなら問題ないですが、離婚するつもりがないなら、相手の思うつぼになって、あとで後悔することになります。

 

あらわになる負の側面

 

不倫は夫婦関係に亀裂を生みますが、元々、片方が不倫をする関係ならば、どちらがいいか悪いかはともかく、なんらかのひずみがあって、いびつな関係であったのは間違いないでしょう。
不倫の発覚で、夫婦間の負の側面が実体化されただけなのです。
どこの夫婦でも、考え方、価値観が完全に一致している方が珍しいのではないでしょうか?
再構築するならば、負の側面と向き合い、お互いに解消することが必要でしょう。

 

再構築を助ける要因妨げる要因

 

最後に片田氏が上げる再構築を助ける要因と妨げる要因を列挙します。
助ける要因

・最初の不倫であること
・不倫された側が感情ある程度制御することができること
・不倫した側が不倫関係について正直に全てを告白すること
・わが心からの反省と後悔を示すこと
・不倫した側が不倫された側の怒りや幻滅、恐怖や不安などを理解し、忍耐強く受け入れようとすること。同時に不倫された側も、絶え間な     く責めたり、罵声を浴びせたり罪悪感を掻き立てたりするのを慎むこと。
・ 夫婦が2人とも夫婦関係の修復を決意し、互いのために良いと思われる解決策を見出すべく協力すること。

妨げる要因

・もう浮気はしないと約束したにもかかわらず、不倫を こっそり続けている場合。
・夫婦が2人とも同時期に不倫していた場合。
・不倫相手と肉体関係を持っていただけでなく、気持ちの面でも強く結びついていた場合。
・ 不倫した側が夫婦関係をどうしても再構築したいという願望をあまり示さず、そのための努力も殆どしない場合。