アメリカの刑務所ではおいてはいけないと言われる禁断の書「権力に翻弄されないための48の法則」解説第11弾。

今回は第8の法則をお送りします。

 

禁断の書から悪に騙されない秘訣を探るその11

 

提言 法則8 他人に足を運ばせよ。必要ならば餌を使え

 

他人に行動を強要する時、主導権はこちらにある。
だが、それよりも敵が自らこちらに出向き、その過程で自分の計画を放棄するよう仕向ける方が良いに決まっている。
おいしい話で敵を釣れ、そして、攻撃する。
支配権はこちらのものだ。

 

敵の誘いに乗って息の根を止められる

 

禁断の書の事例ではナポレオンが百日天下について語られています。
ナポレオンが皇帝の座を追われて、再び兵を上げてヨーロッパ諸国を制圧したものの、わずか100日しか天下が続かなかったというものです。
実はこれはナポレオンの元外相タレーランが仕組んだもので、 完全にナポレオンを歴史の表舞台から抹殺するための計画でした。
皇帝を失脚したものの、いまだ根強い支持者がいたナポレオンを封じ込めるために、わざと再び彼が立ち上がれば、すぐに皇帝の座に返り咲けるような情報を吹き込み、唆したのです。
離島暮らしで情報に疎かったナポレオンはまんまとタレーランの計略にハマリました。

最近の世界情勢でこれに似ているのは2021年1月のトランプ支持者の連邦議会議事堂の襲撃です。
議事堂に侵入した人で死亡者が出たので、大統領選挙の結果に不満を持ったトランプの暴走のように報道されています。
しかし、これが一人も死亡者が出ていなければどういう結果になっていたでしょう。
バイデン側がトランプ支持者の暴動を誘導して、騒ぎが多くなった時点で、支持者の中に被害者が出るまでほっておき、死人が出てから警備が介入しました。
犠牲者が出たことで、トランプの行為は【やりすぎ】と言われ、仲間の中からも離反者が殺到しました。
トランプさんの巻き添えになりたくなかったのです。
こうしてバイデンはうるさいライバルを表舞台から引きずり下ろすことに成功しました。
もしトランプさんが過激な行動に出ずに、しつこくバイデンを批難するような行為をしていたら、バイデン政権の船出は危ういものだったかもしれません。
トランプは自ら墓穴を掘ったのです。

誘導してわざと罪を大きくするの芸能界の話題でもありました。
酒が原因で不祥事を起こした元人気アイドルが、飲酒してバイクに乗っていました。
前からマークされていたので、辺り中の白バイ元アイドルのバイクの情報は回っていました。
ここですぐに逮捕すれば彼の処分は飲酒運転で済んでいたはずです。
しかし、警察は彼を泳がせ、前にパトカーをつけて、ブレーキをしてぶつけさせ、飲酒事故を誘導させました。
彼の罪はより重くなり、さらに復帰の道が遠のいてしまいました。
飲酒運転はもちろん許されるワケはありませんが、わざわざ罪を重くする警察のやり方もどうかと思います。

 

攻撃が最善の方法ではない。平静を保ち、仕掛けた罠に敵をはまらせること

 

物語の世界では、攻めて攻めて攻めまくる戦いの最善手のように言われますが、実際の社会では攻撃的な人物は必ずいつか倒れます。
日本の歴史の中でも天下を取った人が、一番戦が上手な人ではなかったことで分かります。
【めざすべきは長期的な力で、即決の勝利ではない】と言うのです。

・力の本質は主導権を維持する能力
・自分の打った手に他人を反応させる能力
・敵や周囲を防戦に回らせて送る能力

自分から動く能力ではなくて他人を動かす能力が重要なのです。
そのためには2つの要素が必要です。

・自分感情を支配する
・相手の怒りを利用する

自分は一時の感情に心を揺るがせることなく、相手の感情を揺さぶるよう手を打ち、相手を制することだと言います。

確かにカッとなって我を忘れたり、逆に悲観的になって自滅したり、感情を揺さぶられるときは状況に負けてしまう場合が多いです。

 

例外 奇襲戦法もあり

 

自分から仕掛けずに相手を自分の都合のいいように動かすのが王道ですが、時には逆にいきなり攻撃を仕掛ける手が有効の場合もあります。

その最も有名な例が桶狭間の戦いです。

圧倒的に戦力差がある今川義元を織田信長が破ったのは、相手が油断している時に、一気に攻撃を仕掛けたからでした。

禁断の書では、相手が弱っていて、待っていれば回復のチャンスを与えるだけだと言う時は、情け無用で一気にたたみかけて叩き潰すことが重要だと説いています。

 

まとめ

 

今回は禁断の書から法則8 他人に足を運ばせよ。必要ならば餌を使えをお伝えしました。
法則の相手を自分の都合のいいように誘導するのも、弱っている時の急襲攻撃も、振り返ってみると、攻撃を受ける側だったら経験があるかも知れません。

人生は戦争だと知らなかった時には、無防備で人の計略にまんまとハマっていました。
自分がハメる側にはなれないにsても、計略を仕掛けてきた人の罠にはまらなくてすみそうです。