エリック・バーカー著『残酷すぎる人間法則』によると、夫婦関係がこじれると、かつてのいい思い出もネガティブな記憶に上書きされて、さらに悪化してしまうのだとか。それでは一度こじれてしまうと修復は不可能なのか? というと、そういうわけではありません。実はポジティブな記憶も上書き可能なのです。記憶がポジティブに上書きされれば、新婚時代のラブラブ状態に戻ることも不可能ではありません。
良好な関係を取り戻す自己拡張
本書は自己拡張というちょっと難しい言葉で表現されていますが、要するに? 出会った頃のデートのようにワクワクできることを二人で共有しようということです。二人ともが関心があることで、まだ体験していないワクワクすることに挑戦してみましょう。お互いに助け合いながら同じ体験を共有することで、かつての絆が取り戻せます。
パートナーの大事にしている価値観を再確認するリマインド
出会った頃は自然と尊重できていたパートナーが大事にしている価値観をもう一度再確認しましょう。相手の大事にしているモノやコトを手当たり次第に一枚の紙に書きだしてみましょう。思い当たるものを全て書き終えたとき、パートナーの愛情マップが完成しています。お互いの愛情マップを確認して価値観のすりあわせができれば夫婦の関係の満足度もアップさせることができます。
親密さをアップデートするミケランジェロ効果
これまでは今までのパートナーのあり方をそのまま受け入れるので、取り組みやすいものでした。ここからは相手に変化を求めるもので少し難易度が上がります。ミケランジェロは大理石を前にして彫刻の完成形を見ていたといいます。パートナー自身がなりたい理想像に近づくために寄り添って励ましましょう。
共有の物語を何度も書き換える
夫婦が抱いている理想の物語と現実にあった事実とのギャップを確認します。その上で理想の物語に近づけていきます。悪く言うと自分で勝手に過去の記憶を改ざんしていくのです。結局、記憶は主観的なものなので正解はありません。ですから好きなように書き換えが可能なのです。たとえば、夫婦喧嘩して罵り合った過去があっても、「今にしてみれば、あの喧嘩があったからこそ、さらに結びつきが強くなった」と都合よく記憶を書きかえるのです。キーワードは「私たち」で、私たちという言葉を頻繁に使うことで、夫婦の幸福度を高め、健康状態もよくなります。