「××ロス」という言葉が定着しました。
離婚の喪失感も共に親しんでいた対象を失ったショックは強いものがあります。
とくに離婚の場合、死別や失恋と違って、関係を失った相手は現在も生きているので、愛する対象を失った現実を受け入れるのが難しくなります。
今回は離婚後の喪失について考察します。
未来を変えれば喪失感は自信に変わる
離婚の事実を受け入れるのは、他の対象喪失=ロスから立ち直るプロセスと似ています。
まず、離婚の精神的なショックを受けて、その後、悲しみ、挫折感、抑うつ感、不信感、子どもを片親にしてしまったという罪悪感など、様々なネガティブな感情が湧き起こり、情緒的な混乱に陥ります。
その家庭を経るとやがて諦めの境地がおとずれて、現実を受け入れるようになります。
離婚当初は夫婦関係が破綻したことで、自信喪失や挫折感に陥りますが、新しい環境に適応して、自分の能力や再発見をしたり、新しい出会いによって、再び自身を取り戻すようになります。
しかし、子どもや仕事の問題にぶつかると、自尊心は傷ついて、自信を喪失して不安定です。
ロス克服のポイントは離婚後の生活が離婚前よりよくなっていることにありそうです。
つまり、離婚後の未来が明るければ、過去もきれいに洗い流せるけど、未来が暗いと「あのときはああすればよかった」「よかった時代に戻りたい」など、ベクトルが過去に向いてしまいます。
いくら願っても過去には戻りようがないと諦めて、気持ちを未来に向かうように切り替えて、行動する。
そうしたからといって、現状がよりよくなる保証はありませんが、少なくとも過去に止まってウジウジする状態からは抜け出せそうです。
親の離婚で子どももロスしている
離れた方の親からDVでも受けていないかぎり、離婚をするとおおむね子どもは、離婚前より不自由な生活を強いられます。ほとんどの子どもが「離婚が正解」だと受け止められないようです。
さらに離婚家庭の子どもと自分を卑下して、なかなか新しい行動に移せなくなる傾向が強くなります。
両親の離婚によって、未来をネガティブに考えるようになって、明るい将来を思い描けなくなるようです。
離婚ロスは親以上に子どもに、マイナスな影響を与えます。
現実には離婚後はどのような形であれ、新しい生活スタイルになります。それに慣れていくのに精一杯なので、喪失感に浸っている暇はありません。
ロスを味わえる人は、金銭、生活、時間、何かしらの余裕がある人のようです。
あらゆる別れでも離婚は特にロスに陥っている場合じゃない状況の方が多いでしょう。