目を引く強烈なタイトルで話題となった『射精責任』。本書の著者であるガブリエル・ブレア氏は、アメリカで妊娠中絶をめぐる議論が激化していた時期にこの本を発表しました。2022年には、長年妊娠中絶の権利を認めてきた判決がアメリカ最高裁により覆され、一部の州では中絶が禁止される事態に発展しました。本書は、こうした社会状況の中で「望まない妊娠の原因を明確にする」という観点から大きな注目を集めました。

 

衝撃のタイトル『射精責任』の中身とは?浮気・不倫問題との関連性も考える

 

望まない妊娠の責任は誰にあるのか?

 

本書の核心的な主張は、「望まない妊娠のすべての原因は男性の無責任な射精にある」という点です。性行為自体が望まない妊娠の直接的な原因ではなく、男性が避妊をせずに射精することが妊娠を引き起こすと論じています。つまり、「妊娠を防ぐためには、男性がコンドームを装着する、または根本的に妊娠を望まないならパイプカットをするべき」という主張です。

この考えを前提にすると、浮気や不倫による妊娠もまた、男性側の責任が大きいといえます。既婚男性が避妊を怠り、パートナー以外の女性を妊娠させた場合、その結果は女性だけでなく、多くの人々の人生に影響を及ぼします。不倫が発覚した際、当事者だけでなく家族や関係者が巻き込まれるケースは多々あり、場合によっては慰謝料請求や法的なトラブルに発展することもあります。

 

不倫・浮気と避妊の問題

 

不倫や浮気の問題が発生する際、「避妊の有無」は大きな要素となります。避妊が徹底されていない場合、妊娠が発覚し、さらなる問題を引き起こすリスクが高まります。特に、不倫関係で子どもができた場合、以下のような深刻な問題が発生する可能性があります。

認知問題:既婚男性が不倫相手を妊娠させた場合、認知を求められることがあり、それに伴う法的義務が発生します。

慰謝料の増額:通常の不倫でも慰謝料が発生しますが、妊娠・出産という事態に至ると、より高額な慰謝料が請求されるケースが多いです。

家庭崩壊のリスク:配偶者との信頼関係が完全に破綻し、離婚に発展する可能性が極めて高くなります。

経済的負担の増加:子どもが生まれた場合、養育費の負担が長期間にわたり続くことになります。

これらのリスクを考えたとき、「望まない妊娠を防ぐための責任」は、浮気・不倫をする側に大きくのしかかります。本書の主張に沿うならば、「不倫関係において男性が避妊を徹底することは、道徳的にも法的にも不可欠である」と言えるでしょう。

 

避妊の負担が偏る現状

 

現代においても、避妊の責任が女性に偏りがちであることは否めません。女性が避妊をするためには、低用量ピルを服用する、子宮内避妊具(IUD)を装着するなど、身体的・経済的な負担が伴います。また、これらの避妊方法には副作用があり、健康リスクもあるため、簡単に選択できるものではありません。

一方で、男性側の避妊方法はコンドームの使用が基本であり、比較的簡単に実行可能です。しかし、男性用避妊薬の開発は進められているものの、女性用ピルと比較して副作用が少なかったにもかかわらず、「副作用のリスクがある」という理由で実用化されなかったという背景もあります。

このように、避妊の負担が女性に偏る現状が続く限り、望まない妊娠による問題は減少しない可能性があります。不倫・浮気の場面においても、男性が責任を持って避妊を行わない限り、当事者だけでなく多くの関係者が苦しむことになります。

まとめ:責任をどう考えるべきか?

 

『射精責任』は、妊娠のリスクと責任について、従来の議論とは異なる視点を提供しています。そして、この視点は浮気・不倫の問題にも適用可能です。不倫関係における妊娠は、関係者すべてに重大な影響を与えます。特に男性側が避妊を徹底すれば、このようなリスクを大幅に減らすことができるのは明白です。

「望まない妊娠を防ぐには、男性が避妊を徹底することが重要である」という主張が社会に広まれば、男女間のトラブルの多くが回避できるかもしれません。特に、不倫・浮気のような社会的に問題視される行為においては、慎重な行動が求められます。

本書のタイトルは衝撃的ですが、その内容は極めて現実的な問題を浮き彫りにしています。「不倫関係においても、妊娠の責任は誰にあるのか?」という視点を持つことが、今後の議論においても重要になるでしょう。

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