50歳のA子さんは結婚して30年以上になる夫から突然離婚を告げられます。実は夫は長年知人の女性と10数年も不倫関係にありました。
しかし、A子さんは夫の不倫に全く気がつかなかったといいます。ということで、不倫を知ったのは後の祭りで、証拠もないので慰謝料も請求できません。なぜA子さんは夫の不倫に気がつけなかったのでしょう?
夫側の見えないマウントで引け目を感じていた
A子さん夫婦は結婚すると、A子さんの実家に住むようになります。いわゆるマスオさん状態で、肩身が狭いのは夫の方だと思うかもしれません。
しかし、A子さんは基本的に控えめな性格、逆に夫は自信満々の雰囲気で常にマウントを取ってくるタイプ。マスオさん状態であることを逆手にとって、家庭のことでことあるごとにA子さんを責めます。
「そんなに気にすることかなあ」と思うくらいの小さなことに対しても不満を言ってくるので、いつの間にか自分の方が悪いことをしているような気がして来ます。窮屈な思いをしている夫に対して常に引け目を感じています。
そのため夫の帰りが遅くなろうが遠出をしようが、黙認するようになりました。夫は堂々と自分の好きなような行動をとるようになりました。
夫の行動に無関心
内心、A子さんは夫がいない方が気楽だったのです。夫はA子さんのやることなすことを否定するので、外で何をしているのか無関心でした。
税理士資格取得を目指して浪人していたのが、外で歩きまわるうちに挫折し、いつの間にか不動産投資に手を出すように……A子さんにも借金の保証人になるように迫ります。
夫に対して嫉妬心や怒りの感情が湧かない
そんなクズ夫だったため、離婚を切り出されたとき、A子さんは内心ほっとしていたのです。「もうこんな男に患わされる必要がない」と、本当なら10年以上も不倫関係にあったのだから、証拠をとっておけば両方から慰謝料をがっぽりと取れたはず。
しかし、不動産投資がうまくいかず自転車操業の夫に対して、慰謝料は期待できません。とっくの昔に愛情はなくなっていたのでしょう。
もし、結婚の途中で夫の不倫に気がついていたら、修羅場の連続でA子さんの心は壊れていたかもしれません。振り回され続けて心がシャッターを閉めて、夫に関心を向けるのを拒んでいたのではないでしょうか?
A子さんのようにモラハラ夫に責めまくられていると、不倫の兆候をうっかり見逃してしまうリスクがあります。やたらと相手を攻撃するのも、考えものですが、萎縮するばかりだと、相手の都合のいいように利用される一方です。
ついつい素直に相手の話を受け入れてしまう人は注意してください。