運動部のパワハラ指導が問題になっています。
事実は確定的ではありませんが、横浜高校では2019年にパワハラ指導が発覚して監督と部長は解雇され、新たに任命されていました。
パワハラ厳禁のはずだったのに、なぜまたパワハラが起こってしまったのか検証します。
パワハラで解雇された監督は元々コーチング主導だった!
横浜高校で2019年にパワハラ指導で解雇された監督は、元々コーチング理論を学んでおり、指導者に任命されたときには選手による自発的なモチベーションを促すことを理想としていました。
ところが、コーチング指導では思ったように成績が上がりません。なにしろ師でもあり前任だった渡辺元智監督は春夏の甲子園で5度の優勝という金字塔を打ち立てています。
前時代的な指導方法によって、指導者の立場になった前監督
「自分も厳しい指導があったからこそここまでになれた」という生存者バイアスもあります。
思うように上がらない成果に苛立ち、いつの間にか生徒を叱りとばすのに麻痺していったというのです。
パワハラ指導者は叱る依存にかかっていた?
臨床心理士の村中直人氏の著書「<叱る依存>がとまらない」では叱るという行為が叱る側に高い快感を与え、やがてアルコールや薬物、ギャンブルと同じような依存性があると説きます。
叱るという行為は、そもそも権力を持った人が自分より立場が下の人に行う行為です。
一時的にも下の人が自分の言葉に従ったことで自己効力感が増す。相手を処罰したいという感情が充たされる。
科学雑誌「Nature」によると、人を処罰する行為は、自分が損をしてもある種の快感になるのだとか。
SMのSの方の快感に近いのかもしれません。
一方、叱られる側は叱られた瞬間から、ディフェンスモードになっています。
攻撃に耐えるために、心身を固くしています。
何かに怯えているときの動物のような感じでしょうか?
攻撃を受けることだけに集中しているので、普段の記憶力の半分。
叱られるのは、叱られる行為をした後です。
やってしまった後叱られても、何故怒られたのかほとんど覚えていないそうです。
つまり、叱るという行為にはほとんど効力がないということなのです。
そして、叱られる行為に慣れてしまうと、以前のような叱られかたでは全然こたえなくなります。
そうなると叱る側はさらに叱る行為がエスカレートしていきます。