NHKで放送中のよそでは言えない赤裸々な打ち明け話が聞ける人形劇「ねほりんはぽりん」で特集された「サレ妻・サレ夫」。
MC山里亮太氏は「不倫は家庭というレベルではなくて人間としての大事なものをたたき割ってしまう」と語っていました。
不倫した方はさほどでもなくても、された方は心に深い傷を負うのです。
片田珠美著「不倫という病」から不倫のトラウマについて紹介します。

 

精神科医が語る不倫のトラウマ

交通事故よりも辛いトラウマ

 

ある20代の女性は夫の浮気を知って、高校生の頃に交通事故に遭い、 入院したときよりも辛かったと語りました。
この女性は、交通事故の後しばらく事故の場面が突然頭に浮かんでパニックになるとか、 睡眠中も自分が車に轢かれて血だらけになった夢を見て飛び起きるとかという症状に悩まされていましたが、夫の浮気が発覚した後も同様の症状が出現したのです。
この女性は直接、夫と不倫相手の情事を目撃したワケではありません。
頭に浮かぶのは2人がもつれあう想像上の映像ですが、フラッシュバックと同じような現象に悩まされたのです。

 

強迫観念

 

夫が社内の女性と不倫関係になったため外出できなくなった30代の女性がいます。
その女性にはしか会ったのはたった一度で挨拶程度でしたが、不倫を知ってからは町に出るとすれ違う女性が全てその不倫相手に見えて、恐くなって外出できなくなったのです。
頭の中では夫の不倫について考えても無駄だと分かっています。
それでもいざとなるとその女性が映像に出てきてしまうのだそうです。

 

イライラして怒りっぽくなる

 

夫や不倫相手の怒りがやつあたりで、子供に向かう場合があります。
夫の不倫について誰にも相談できず、1人で抱えていたせいで、ストレスが溜まって その怒りを子供にぶつけていたようです。
怒りの対象になった娘は、ぶつける相手がいません。
ストレスでついつい過食になり、過食を気にしすぎて拒食になる接触障害になってしまいました。

 

子供も親の不倫でトラウマを負う

 

親の不倫で子供がトラウマを負う場合もあります。
親にノーという意思表示で行う行動の代表的なものが不登校です。
ある日突然、不登校になった男子中学生。
心配になった父親がその原因を聞き出すと、ある日昼間学校に帰ってきたときに、母が見知らぬ男性とベッドにいたのを目撃。
次の日から学校へ行かなくなりました。
母親を心配させ、また家にいることで親を連れ込めなくなり、二重の意味で母親に復讐していると言えます。

 

青天の霹靂

 

配偶者の不倫を知るショックはあらかじめ予感しているよりも、不意打ちに知らされる歩がショックのようです。
20代の妻は夫の不倫相手からの電話で、不倫の事実を知らされ、うつになりました。
ちょうど妊娠中のことで、産後うつも重なり、出産前後は何もできない状態になりました。

 

不倫をある程度予想できていたとしても

 

不倫の常習犯を持っていて、子供や生活のために、理性では配偶者の不倫を割り切ろうと思っても、やはり本心では心に深い傷を負ってしまいます。

 

現実逃避

 

辛い現実から目を逸らしたくなって、見て見ぬふりを続け、そんなことはなかったように振る舞う場合もあります。
これは自分にとって都合の悪い子で望ましくないことが意識に昇ってこないようにするために「否認」という防衛メカニズムが働くからです。
「否認」が働きやすいのは女性で、特に体面や世間体を人1倍気にする女性に多いようです。
こういうタイプがしばしば用いる手段が現実逃避です。
仕事、趣味、占い、宗教などさまざまですか、全然違う領域の活動に夢中になった経験は誰でも多かれ少なかれあるのではないでしょうか?
最初のうちは気が晴れるかもしれませんが、無意識に貯まったストレスが身体症状になって表れる場合があります。

 

自信喪失

 

不倫されると相手の方が異性としての魅力的で負けたと感じ、自信喪失するのは分かりますが、一番ショックなのは不倫相手が自分より年上で、容姿も劣っていたときだそうです。なまじっか容姿に自信があると、余計に女としての自信が打ち砕かれてしまうのです。

 

人間不信

 

一番信頼していた伴侶に裏切られるので、多かれ少なかれ人間不死になるのが不倫です。
とくに人が信じられなくなるのが、伴侶の不倫相手が自分の知っている人の場合。
20代の女性は婚約中の男性の浮気が原因で破局しますが、なんとその浮気相手が実の妹。
妹が妊娠したことで、実の両親から手を引けと言われます。
その後は完全に家族と絶縁状態になり、何があっても実家に帰らないと誓っています。

 

不倫した側がトラウマを負うことも

 

不倫した側がトラウマを負うことも少なくありません。
多いのは、独身女性が既婚男性と不倫関係になり、「妻とは離婚する」という言葉を信じて長年待っていたのに、 なかなか離婚してくれなかったケースです。
特に、不倫相手の子供を妊娠したものの、相手の離婚がまだ成立していなくて、中絶せざるをえない場合、女性は相当傷つきます。
そのせいで事件にまで発展することも少なくないのです。