脳科学者の高田明和さんは脳とストレスに関する多数の著書で有名です。
最近では繊細さん=HSPや発達障害に関する本を沢山出しています。
最新の著書「HSPとひきこもり」ではひきこもりにならないように気をつけるのではなく、
むしろ積極的にひきこもる=ソロ活をすることで、本当に心が限界を超えて物理的に部屋から出られなくなる最終状態「閉じこもり」を防ぐことができるというのです。
なぜ閉じこもりまで追い詰められるのか?
なぜ繊細な人は閉じこもりに陥ってしまうのか?
繊細さん=HSPは身のまわりに起こることをオープンに受け入れる傾向があります。
それは良い面では創造性が発達して才能を発揮する可能性が強いのですが、反面害になることも受け入れてしまうことにもなります。
その受け入れる量が自分のキャパを超えてしまうと閉じこもってしまうのです。
閉じこもる人の傾向は
1.環境に左右されやすい
2.人の言動に敏感
3.今の社会に違和感を持ちながら、それを無視して頑張っている人
だといいます。
「閉じこもり」状態になる前に、自発的にひきこもることで他人や社会から距離を置き、害を入れないようします。
トランスジェンダーでHSC(繊細な子供)だったオードリー・タンは不登校になることで、
いじめを回避し、独学で勉強しています。
哲学者の吉本隆明は大事な思索をするために「ひきこもり」を勧めており、その教育を受けた娘の吉本ばななさんは小説家になりました。
自分の心を守るためにも、「ひきこもる」ことは大切です。
閉じこもりの家族と本人がこころがけること
家族が閉じこもると一番に気になるのは世間体でしょうか?
「みっともないから早く部屋から出て欲しい」というのが本音かも知れません。
そこを切り替えて本人の気持ちを思いやって、家族がその状態を認めてあげることが肝心です。
本人の存在そのものを認め、一番の理解者・味方になってあげてください。
閉じこもった本人が一番おちいりがちなのは、自分自身を責めることです。
自分の状況を恥じて、マイナスに捉えているのです。
誰が責めているわけでもないのに、自分の中にいる他人や世間から見た基準を持ったもう一人の自分が「社会や他人に何の役にも立たない」と自分を苛んでいます。
でも閉じこもってしまったのは、他人のことどころか自分のことさえ考えられない状態です。
閉じこもったときには、自分が楽しい気持ちいいと思うことを優先し、生きる喜びを感じられるようになることを優先します。
自分を批判する自分と離れて、自分を認めてくれ守ってくれる自分と仲良くしましょう。
自信と自己効力感、自己肯定感との違い
世間では「自信を持つことが大事」と言いますが、自信は相対的なもので、自信を持てる成果を上げることができれば持てますが、失敗すればその自信は消えてしまいます。
自己効力感も仕事や人生がうまくいっていれば、自分で物事をコントロールしているという自己効力感を持てますが、うまくいかなければ消えてしまいます。
2つとも調子のいいときにはプラスな感情ですが、物事がうまくいかない限り持つことはできません。
それに対して自己肯定感は、うまくいってないときでも、ありのままの自分がこれでいいと思える感情です。
失敗したときや何の成果がないときでも「これでいい」と自分を認めることができる心です。
ひきこもりになったときには自己肯定感が重要なのですね。
自発的なひきこもりをするときに大事なこと
最終章ではソロ活のために大事なことを並べています。
その中でも印象に残った項目を紹介します。
一緒に居ると疲れる人を遠ざける
やはり、人間の悩みのほとんどは人間関係と言うとおり、一緒にいて疲れる人が側にいたら激しくエネルギーを消耗します。
感じやすい繊細さんならなおのこと苦手の人とうまくいくのは難しいでしょう。
できれば関わらない距離にいるのが一番です。
疲れただるいを無視しない
敏感に感じやすい繊細さんは人並み以上に疲れやだるさを感じ取りやすいものです。
でも、それは「休みなさい」と身体が言っているサインかもしれません。
サインを無視して我慢を続けずに、しっかり休んだ方がまた頑張れるエネルギーが戻ってきます。
気持ちをわかってくれる家族以外の人を見つける。ネットを利用し、誰かとつながる。
・できるだけ本音を言ってみる
この上の3つはネットがなかった社会ではなかなか実現できなかったことでしょう。
まわりの人だけの意見だと狭すぎて、自分と共感してくれる人を探すのは難しいものです。
しかし、ネットなら必ず同じ苦しみを味わっている人がいるので、つながることで自分1人じゃないと、自分を認めることができます。
このように繊細な人は時折、自発的にひきこもって、回復するソロ活が必要なようです。
自分の性質をきちんと把握すれば、自分を大切にしながら以前以上に生産性を上げることができるようになります。