人は一人では生きていけない。
誰も踏み入れない山の奥や無人島で暮らさない限り、1日誰とも接触しなかったにせよ、自分以外の人と関わらないワケにはいきません。
しかし、自分以外の人と関わった場合、必ず発生するのが人間関係。
馬が合う人ばかりであれば何の問題もないんですが、厄介なのが、全く反りが合わない人との関わり方です。
そんな難しい人間関係を解決する手法がベルギーで開発されました。
飯塚健二さん著「職場のやっかいな人間関係に負けない方法」では、「iWAM(アイワム)」という手法を紹介しています。

 

最新ツールで困った人間関係を解決する

 

人間関係の問題はすべてコミュニケーションの問題

 

「アイアム」はすべての悩みは人間関係の問題だと言います。
なるほど、自分一人で生きるのならば、何の悩みもなさそうです。
そして、人間関係の問題はすべて、コミュニケーションがうまくいかないから発生すると断言します。
となればコミュニケーションさえうまくいけば、全ての悩みは解決します。
しかし、なぜ人間同士はわかり合えないのでしょう。
「ジョハリの窓」というのをご存じでしょうか?
人には誰しも、
・自分も他人も知っている自分「解放の窓」
・他人は知っているが自分は知らない「盲点の窓」
・自分は知っているが他人は知らない自分を「秘密の窓」
・自分も他人も知らない自分を「未開の窓」
とうい4つの窓を持っているといいます。

このうちに自分も他人も知っている自分「解放の窓」が大きくて、広ければ広いほど、どんな人とでも人間関係がうまくいきます。
そして、問題になるのが、他人が知っているが自分は知らない「盲点の窓」がある事実を自覚しないと、いわゆる「自己チュー」と呼ばれて、自分は正しい! 間違っていない!と思っていても、他の人に迷惑がられて、知らず知らずのうちにトラブルの種を生み出している場合もあります。

人間関係がもつれていると、「なぜあの人は分かってくれないんだ」と思いがちですが、「7つの習慣」の中でスティーブン・R・コヴィーは人間関係を円滑にするために「相手を理解してから理解される」ことを推奨しています。

 

人と人は感じること考えることが違う

 

他者を理解する上で、必要な大前提は「人それぞれ感じてることや考えることは違う」ということです。

人は言葉を使って物事を認識しており、人それぞれ同じ言葉でも、相手を受ける印象をかえてしまうほどの言葉に重みがあるといいます。

「相手の言葉の使い方の特徴を知り、自分の言葉の使い方の特徴を知れば、人間関係において、負けることはない」
孫子の兵法のように相手の言葉を知り、相手の言葉を知り必要なことを知る必要があります。

そこで人の言葉の使い方は、「認識スタイル」によって違うというのです。
認識は全般に渡って2極化しており、認識スタイルが真逆の人とはどう折り合いをつければいいのか? を本書では細かく解説しています。

 

俺が俺がの人とつきあうためのお先にどうぞ戦略

 

「アイワム」では主体性のカテゴリがあり、主体型と分析型とに区別します。
主体型の人はまず行動して、リーダーシップをとります。逆に、分析型の人はすぐには動かず、石橋を叩いて渡るタイプです。
分析型の人から見たら主体型の人はでしゃばるタイプ。主体型の人から見たら分析型の人は全然動かないクセに、後になって揚げ足をとる。と水と油で全く相容れません。
分析型の人が主体型の人とうまくいくためには、主体性の人に全て譲ってぶつからないようにすることです。
反対に主体性の人が分析型を動かす場合は全てお膳立てをして、その上に乗ってもらうように準備します。

 

オプション型とプロセス型の対応策

 

アイワムには「選択理由」というカテゴリーがあります。
オプション型はいろいろなアイデアを次々と考えるタイプで、プロセス型は仕事の手順や進め方にこだわるタイプです。オプション型はアイデアマンで新しい発想を生み出すことが好まれる仕事には喜ばれますが、次々とアイデアが出るばかりで、結局は何一つ仕事が進まないで、口先だけで終わる危険性もあります。
一方、プロセス型重視は職人的気質で、この人に仕事を任せたいと言われ信頼されますが、半面段取りを重視しすぎて、融通のきかない柔軟性がなくて、新しい変化に対応できない場合があります。
このタイプの人がそのままの性質で仕事をしようとすると、ぶつかってしまいます。
オプション型には複数の選択肢を提示して選ばせる。
プロセス型には行動の1つ1つを分解して、その1つ1つを言語化することで、新たな発見や気づきを促すことが大事です。
しかしながら、めまぐるしく環境が変わってくるこの時代には、オプション型の傾向を高めていくことが重要です。
アイワムの人間関係戦略の一部を紹介しました。
自分と180度違う人の性格を理解することが、コミュニケーションの第1歩のようです。
そうすれば自分の性格も見えてきそうです。