離婚専門の弁護士・打越さく良さんの著書「なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか」では、突然妻から離婚を切り出された夫と妻の手記が、並行して掲載されています。
夫の手記ではは、交際期間から今まで、ずっと夫婦円満だったのに、突然妻から離婚を切り出され、妻が何が不満で離婚したいのか全く分からない夫の戸惑う様子が描かれています。
片や、妻の手記は、夫が妻の意見を全く聞かずに、常に強引に自分の意見を押し通し、妻の仕事を尊重せず、妊娠中すると強引に仕事をやめさせ、子育ても常に夫のペースを押し通して来たことが綴られていました。
つまり、妻は肉体的暴力こそ、受けていないものの、ずっと精神的暴力やモラハラ的な被害を夫から受けていていました。
しかし、夫の方は全くその自覚がなかったのです。
長年一つ屋根に暮らし、同じ経験をしながら、全く認識が食い違っていたんですね。
これは、多くの離婚した、離婚しそうな夫婦が起こりうる状況じゃないでしょうか?
また、妻が夫に対して思う不満だけでなく、逆に夫が妻に対して不満に思っているケースもあるでしょう。
探偵が浮気や不倫の行動調査を開始した時点で、とっくの昔にパートナーの心はあなたの元から離れているケースもあるのです。
パートナーの突然の行動に戸惑わないためにも、対策を知っておきましょう。
夫と妻の心のすれ違いを描いた漫画「妻が口をきいてくれません」
最近話題になった漫画「妻が口をきいてくれません」では、突如、原因不明で妻が口をきいてくれなくなりオロオロする夫の姿が描かれていました。漫画では、結局妻が夫と話さなくなった理由が、実にたわいのない理由だったのですが……その何でもない理由で、相手が深く傷ついてしまうことを、自覚しないと、漫画の夫と同じような事態を招いてしまうかもしれません。
気をつけてください。それってDVかも知れません
DV=ドメスティック・バイオレンスと言っても、肉体的に直接傷つけることだけはありません。
財布のひもを握って、経済的自由を奪うのは、経済的DVと呼ばれ、肉体的暴力よりも精神的苦痛を味わいます。
また、相手が望まないのに、強引にセックスを強要するのも、心に深い傷が残ってしまうのです。
近年の医学では「マルトリートメント」と言い、相手の人間性を侮辱するような言葉や態度は、脳が萎縮することが分かっています。
高橋ジョージさんや三船美佳さんで、争われた離婚調停のように、近年はモラハラも離婚理由になるケースが増えています。モラハラは昔からあったのでしょうが、モラハラとの名前と概念が浸透して定着しました。
その半面、当のモラハラ加害者がモラハラをしている自覚がないの場合が非常に多いのです。
気をつけたいパートナーの異変
「なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか」では、突然、妻に離婚を切りだされる
場合に妻に次の兆候があると注意しています。
育児・家事がおろそかになる。無言・無表情になる。いつもの意見に従う。謝るのはいつも妻の方になる。あらゆることに興味も意欲がなくなっている。
これらを見てみると、生きるエネルギーが極限まで、枯渇していて、すでに、精神的な病気のような状態かもしれません。
実際に抑うつや適応障害的な、状態であってもそれは、あなたの態度が原因で、パートナーに心深い傷が貯まっていき、心の許容範囲を既に超えてしまっていることが心配されます。
心の傷を負っているのはパートナーだけではなく、子供達も同じです。
成長期だと、実際に自分に向けて、直接暴力や暴言を吐かれるよりも、
片親が片方の親を口汚く罵しる、あるいは言い争っている両親の姿を見る事の方が、脳にダメージが大きく、成長が著しく妨げられるのはもちろんのこと、大人になっても、そのトラウマが原因で、生活に支障をきたすと言うことが最新の研究で明らかになりました。
離婚を切り出したときの暴力の危険
このように、パートナーに直接、離婚を切り出されるようになる人は、性別の区別なく独善的でパートナーに自分の考えを押しつけて、自分がパートナーにどう思われているかなどは全く気にしていません。
そのような人が、パートナーに突如、別れを切り出されたら、概ね逆上する可能性が高いのです。
自分の中で、自覚しているかどうかは個人差があるでしょうが、パートナーを自分の意のままに動かせる奴隷のように考えています。
その奴隷が反逆するのだから、キレるのは当然かもしれません。
その怒りがエスカレートとすると、パートナーに暴力をふるう危険性があります。
残念ながら、そのような状態になった人が優位に立つ方法を、本は提示していません。
ですから、もしやり直せるならば、パートナーに対する考え方や接し方を変えるしかありません。
妻に離婚を切り出されたときの対処法はあるのか?
この本では、結局、妻に離婚を切り出されたときの、対処法や修復のしかたなどが書かれていません。つまり、離婚を切り出された時点で、ほとんど修復不能ということです。
せめて、離婚後の話合いで、上手に折り合いをつけるしかないようです。
パートナーにちょっとでも、異変があったら、気持ちに寄り添う以外に方法はないようです。