多田文明著「最新の手口から紐解く詐欺師の罠の見抜き方」より
多田文明氏は詐欺・悪質商法の専門家で、多くの著書があります。
多田氏曰く、「ダマしは四則演算でやってくる」
はて騙しの足し算、引き算、掛け算、割り算って一体なんなん?
って感じですけど、詳細を聞くとなるほどと納得できます。
足し算のだまし
時代の変化によって、新しく登場した物事があります。
それに乗じて人を騙す手口も増えていきます。
2020年新型コロナで緊急事態宣言が出た時の持続化給付金の詐欺は横行しました。
マイナンバーカードの発行された時には、自治体の役人を装い手数料を請求するという事件も発生しました。
そもそも特殊詐欺=オレオレ詐欺は高齢化問題や独居老人の問題が出てきてから頻発するようになりました。
犯罪者は金の匂いがしたら、すぐに目ざとく見つけて動きます。
地震や水害などの災害が発生すると、必ず新しい詐欺や悪質商法が登場します。
これからも時代の流れによって、新たな騙しの手口が増えていくでしょう。
足し算型詐欺にだまされない方法
巧妙な詐欺師は素人を騙すのはお手の物で、相手の個人情報を知れば知るほど、本人に合わせた、いかにも引っかかりそうな詐欺をオーダメイドで作成すると言います。
ので、会話の糸口を掴まれたら最後、情報を提供すればするほど、騙しやすい餌を与えていることになります。
なので、「怪しい」と感じたら、電話を切る、相手にしないのが一番です。
少しでも着やすく応対したら、相手はつけ込んできます。
引き算のだまし
悪質商法には引き算の詐欺が多用されています。
その引き算2種類あります。
1・ものを安く見せる
2・現状からマイナスを見せてだます
1の場合、最初は無料でお試しさせておいて、本来ならば40万円だけど、今日契約したら半額という手口です。
というのは通販ではありがちなテクニックですが、悪質商法にも使われていて、人間の「人より得したい」という欲望を刺激していますね。
とくにサクラを用意して先に買われてしますと、「この人より早く手に入れないと」と焦らせて契約まで持っていきます。
2の場合 現状には全く問題ないのに、マイナスがあると見せかけて騙す手口ですね。
インチキな拝み屋やリフォーム詐欺です。
無料で家の診断をするようになって、「家の屋根や梁が壊れている」「シロアリが発生している」と不安を煽って、高額なリフォームや駆除を契約させるという手口です。
またネットでは「ウィルスに感染した」というメッセージが出て、駆除するためにウイルスソフトを購入するように誘導します。
もちろんそのソフトにはウィルスを除去する機能はついていません。
引き算詐欺に騙されない方法
引き算型の詐欺にはこちら側も引き算の発想で挑むことが大切です。
無料おためしだったり、送料無料だったり、とかく安いものは裏があると疑って見ることが肝心です。
とは言え、まともな通販でも同じ手法が使われているからややこしいのですが……
「嘘かもしれない」と疑う気持ちが大切です。
日常的に人を疑うと、人間関係に支障がでますが、
「相手が親切で言ってくれてるのかもしれない」とは思わず、「わざわざ親切だけでうまい話を持ちかける人はいない」と人好し発想はやめて、相手を引き算で見る目が必要です。
掛け算のだまし
騙された人はリスト化されて、何度も騙し取られます。
犯罪者は騙せる相手から徹底的にむしり取ろうとします。
割り算のだまし
詐欺グループは単独ではなくて、複数で役割分担しています。
複数の人がいることで、より信頼性が増して、被害者を信じさせやすくします。
また、複数いることで、首謀者にまで警察の手が伸びるのを防ぐこともできます。
また、詐欺の誘いに乗ってくるのは全体の1%台と言います。
誘いのメールを送っても反応があるのは、ごくわずか。
しかし、100万人にメールをして1万人から反応があり、実際に入金してしまう人が100人いれば旨味のある犯罪になります。
掛け算・割り算の詐欺に騙されない方法
多田氏は掛け算割り算の詐欺に騙されないようにするには、「面倒な客」になることだと言います。
相手が自分に行動をうながす時に、相手の素性を尋ねます。
事務所の電話番号や住所などを確認します。
相手は詐欺がバレたと感じると、それ以上は深入りしません。
犯罪行為をしているため、少しでも疑う素振りを見せると警戒するのです。
悪知恵がある人ほど、先読みしすぎて、背後に警察がいると勘ぐります。
頻繁に相手の言葉をはぐらかすような質問をすれば、一筋縄にオチないと悟って手を引きます。
まとめ
今回は詐欺の足し算、引き算、掛け算、割り算についてお伝えしました。
詐欺師は次々と新しい手口を考え、素人ではなかなか判別しにくいものです。
怪しいと思ったらまず専門家に相談することをおすすめします。