探偵に浮気調査を依頼して、実際の証拠が出てきました。
まず、ここで報告書と共に証拠を提出すれば探偵の役割は終わりです。
しかし、依頼主にとってはここからが肝心です。
証拠を離婚のために活用するのか?
また関係修復のために活用するのかはすべて依頼主の意思にかかっています。
今回は浮気調査後の、離婚についての準備についてお話します。
民法が定める5つの離婚の理由
1・配偶者の不貞行為
2・配偶者からの悪意の遺棄
3・配偶者の生死が3年以上不明
4・配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがない
5・その他婚姻を継続しがたい重大な事由
今回の場合、配偶者の浮気が原因なので、1の理由になりますね。
離婚後を見据えた2つの【かんじょう】が得する離婚を決める!
数多くの離婚案件に携わってきた弁護士・大西信幸の著書「離婚後のトリセツ」では、
離婚を考えている人がするべき離婚後を見据えた準備を提案しています。
離婚後の未来を見据え、自分の心や思考を整理する【感情】、経済的な部分を整理する【勘定】。
2つの【かんじょう】を整理していきましょう。
配偶者の浮気が発覚した時は、怒り呑み込まれて我を忘れがちです。
一瞬でもそばにいたくないと、離婚後の金銭面での交渉もおざなりにすると、
「しまった。あの時、冷静になっておけば……」
と後悔することになります。
そのためにもまず感情を書き出して、心を落ち着かせて客観視するようにします。
すると、冷静になって、【勘定】経済面の問題を洗い出し、対処することができるのです。
感情
離婚を考えている理由は何か
いつから何をきっかけに考えはじたか
離婚をするにあたり、心配な点、迷う理由はなにか
離婚以外の選択肢はないか
一旦別居して距離をとる
夫婦関係を見つめ直し、再構築をめざす
離婚以外の選択肢ではダメな理由はなにか?
離婚について相談した人はいるか
どんな意見をもらい、それに対してどう思ったか
勘定
共有財産に関する資料集めをする
通帳の写し、権利書
離婚後はどこに住むか
家賃や光熱費など固定費がいくらかかるか
仕事や働き方はどうなるか
子どもがいる場合は、子供の生活・教育環境はどうなるか
子どもに必要な教育費はいくらかかるか
離婚後の1ヶ月の生活費はいくらかかるか
民法の不貞行為の定義と抜け道
民法では不貞行為を以下のように定義しています。
- 特定の異性、あるいは不特定の異性と性的関係がある
- 初対面の人と一度きりの性的関係をもった
- 売春行為をした
- セックスフレンドとしてわりきった関係をしている
一方、不貞行為にあたらないものは……
食事だけのデートやキス
夫婦関係が破綻したあとの性的関係
他の人に愛情を持っているが、性的関係はない(心の浮気)
性的暴力を受けた(合意のない性的行為)
同性との性的関係
この項目の中でも同性との性的関係は不貞行為と認められない事実に驚きます。
現行の日本の法律では、不貞行為のうちに入らないようです。
妻/夫がセックスレスだと思っていたら、性癖が変わっていて……
なんて、ありがちだと思いますが、法律の方が時代遅れですね。
ただし、同性婚も認められるようなるであろう将来、法律も改善されるでしょう。
恋愛感情があったとしても、性行為に及んでなければ、不貞行為にはならない!
現行、日本の法律だったら夫/妻が誰か他の人と頻繁に会っていて、恋愛感情まであるのに、性的行為におよんでなければ不貞行為とは認められないようです。
キスまでだったらセーフ?
というのも釈然としないですね。
しかし、不貞行為とは認められないにしても、
離婚をする理由の5、
【婚姻をしがたい重大な事由】に該当する場合があります。
不貞行為で集めたい証拠
ここは探偵の仕事ですが、不貞行為を証明するには確固たる証拠が必要です。
証拠が離婚調停が自分の優位にすすめるかを左右します。
- 不貞関係相手の自宅・ホテルに出入りしている写真や動画
- 性行為・あるいはそれに近い行為をしている写真・動画・音声データ
- 性的関係があることを示唆するメール、手紙、メモ、ライン
- 性的関係があることを示唆する会話や音声データ
- ホテルの領収書
- GPSなどの履歴
慰謝料の請求の時効
相手が不貞行為を知って、逆上して慰謝料を請求するのを忘れてしまった!
慰謝料の請求には時効があるので注意してください。
そのためにも【感情】と【勘定】を整理することが必要なんですね。
- 不貞行為に対しての慰謝料は 不貞行為を知ってから3年
- 離婚に対する慰謝料は離婚してから3年。
となります。
まとめ
今回は浮気調査終了後の離婚後の準備について解説しました。
ちなみに原因がDVやモラハラの離婚であっても、証拠集めは大事だと「離婚後のトリセツ」は説いています。
相手のDVやモラハラの事実を写真、動画、音声などをしっかり撮って、保存しておくことは全ての離婚案件で重要ですね。