浮気調査をするといえば、普通は現在進行形の浮気ですよね?

 

しかし、年間何千人も浮気調査の相談を受ける探偵事務所では「過去の浮気について調べられますか?」とか「昔の浮気について証拠を取れますか?」といった依頼もやって来ることがあります。

 

現在のパートナーが今は浮気をしていなくても、過去に浮気をしていたこを偶然知ってしまう人も世の中には結構多いのです。

 

では、その場合浮気調査を行うことは可能なのか?

 

探偵に依頼する場合と、自分で浮気調査をおこなう2つのケースについて詳しくご紹介します。

 

■過去の浮気調査を探偵事務所は受け付けない?

 

過去の浮気調査を依頼できる探偵事務所は、残念ながら一つもありません。

 

昔の浮気について調べて欲しいという気持ちは十分わかります。

しかし、残念ながら過去の浮気調査というのは、探偵事務所の出る幕は無いのです。

 

探偵事務所の浮気調査は尾行や張り込みをメインとしている

 

探偵が行う浮気調査は尾行、張り込みをメインとしています。

しかし、過去の浮気について、尾行や張り込みで証拠を取れることはありません。

現在進行形ならまだしも、探偵事務所が自慢としている調査技術では、過去の浮気調査を行うことはできないのです。

 

聞き込みも成功率は低い

 

過去の浮気について聞き込みをおこなったとしても、証拠を得られることは殆どないでしょう。

 

例えば、良くラブホテルに入る姿が防犯カメラに写っているかもしれないと思う人がいますが、その映像をいつまでも保存しているラブホテルなどありません。

 

また、ホテル業者が簡単にビデオ映像を提供することもありません。そんなことをしていればホテルの信用はガタ落ちです。

 

マンションへの出入りなども同じです。

付近の住人が目撃していたとしても、浮気調査のために口を割ってくれる人はまず居ません。

 

別の目的で聞き込みをおこなえば効果は出るかもしれませんが、浮気相手を連れ込むようなマンションは近隣住民同士の付き合いが低いため、わざわざ顔を覚えている成功率は低いと言わざるを得ないでしょう。

 

■過去の浮気は自分で証拠を手に入れるしかない

 

探偵に浮気調査を依頼しても、正直に言って費用の無駄ですし、それは元探偵の私が保守します。

 

もし現在もその相手と浮気関係にあるのなら探偵に依頼する価値はありますが、そんな素振りもないのなら探偵への依頼はおすすめしません。

 

しかし、費用さえ掛けないのであれば、浮気調査をする価値は十分にあると思います。

 

ダメ元で試すのであれば、次の方法により過去の浮気を暴いてみてはどうでしょうか?

 

〇残された写真をチェックする

 

まずはパソコンやスマートフォンに残されている写真などを調べてみましょう。

 

浮気をする人間というものは不思議なもので、その記憶を美しいものとし、思い出の写真などを多く残しているものです。

 

女性はあまりその手の記憶を残したがりませんが、浮気がすでに本気となっており、あまり良くない別れ方をしている場合にはデート中の写真を残している可能性があります。

 

男性の場合はまた別であり、コレクションとして浮気相手の写真を大量に保存している人間も珍しくありません。

 

写真は貴方には簡単に見つからない場所に残されているでしょう。

隠しファイルはもちろん、パソコンやスマートフォンをメインに調べ、最後はフラッシュメモリーやマイクロSDなどの外部記憶装置も徹底的に洗ってください。

 

〇LINEなどの記録を調べる

 

過去に浮気をしており、それがここ数年以内のものならば、浮気の記録がLINEの中に残されている可能性があります。

 

・LINEデータの中に浮気相手との記録が残されている

 

浮気相手との記録をそのままLINEの中に残しているような人間もいます。

 

浮気といっても、その全てが遊びというわけではありません。

中には浮気相手に本気になりすぎたせいで、相手から別れを告げられても忘れることができず、その文章をLINEに残しているようなタイプもいるのです。

 

かなり稀なケースではありますが、浮気を忘れられない人間ならLINEの中にデータを残している可能性はあります。

 

・LINEのバックアップデータの中に残されている

 

LINEでのやりとりを含むデータは、全てスマートフォンのバックアップの中に残されています。

 

バックアップファイルは頻繁に更新されており、残されている可能性はかなり低いですが、どうして調べるならバックアップデータからLINEのトーク履歴を引き出すと良いでしょう。

 

■お金の流れから過去の浮気調査をおこなう

 

過去の浮気を直接示す証拠とはなりえませんが、お金の流れを追うことで浮気があったかどうか推測することも可能です。

 

・カードの使用履歴を探す

 

浮気デートでは現金よりもカードの使用率が高まります。

 

カードは現金よりも扱いやすく、急な出費にも耐え、しかも配偶者にお金の流れを探られにくいからです。

 

しかし、カードは現金よりも確実にその使用履歴が残るので、お金の流れは追いやすいです。

 

ホテルの使用履歴、レストランの支払い、浮気相手へのプレゼントなどをカードで支払っていれば、カードの使用履歴を追うことで調べることが可能です。

 

ただし、ラブホテルの使用履歴はあくまでホテルの運営会社の名前でやってきます。

一見して宿泊施設とはわからず、何の会社かもわからない名前なので注意して調べてください。

 

・保存しておいたレシートを調べる

 

事業などを営む人間や、確定申告を行っている人間なら過去のレシートを保存しているでしょう。

 

それらのレシートの中にも浮気相手とのデートで使ったものが残されているかもしれません。

 

主に宿泊の記録をメインに調べ、高価なプレゼントを購入した記録などがあれば徹底的に調べてください。

 

■もし過去の浮気が明らかになったら慰謝料は請求できる?

 

もしも過去に浮気をしていたとしたら、その証拠をもとに慰謝料を請求することができます。

 

ただし、一般的には法律上の浮気にあたる不貞行為にも時効があります。

時効がすでに経過していると思ったら、時効以降も浮気が続いていたか調べてみると良いでしょう。

 

〇慰謝料請求の時効は20年

 

不貞行為(浮気)の時効は法律上では正確に記されてはいません。

しかし、慰謝料請求について時効は民法724条で次のように記されています。

 

『被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」

 

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限より引用)

 

つまり、慰謝料を請求する権利は基本的には3年で時効を迎えるとされています。

 

しかし、ここで良く見て欲しいのは「損害および加害者を知った時から」とある部分です。

 

つまり、過去に浮気があったとしても、それに最近気が付いて浮気調査をはじめたのだとしたら、気が付いたその日から3年間は慰謝料の請求権があるということです。

 

また、過去の判例においては離婚についての協議が始まった段階。または離婚してから3年間は慰謝料の請求権を認めたケースもあります。

 

しかし、慰謝料を請求できる期間として不法行為があった時から20年という期間だけは動かしようがありません。20年以上も前の浮気に関しては慰謝料の請求はできません。

 

〇まとめ

 

過去の浮気について知ったとしたら、それはとても辛い気持ちになりますよね。

 

ですが、だからといってあなたの人生が変わるわけでもありませんし、証拠を手に入れて慰謝料を請求することも可能です。

 

また、浮気相手への慰謝料の請求権はなくとも、不貞行為の事実だけは婚姻関係が終ってから6カ月以内までは変わりません。(民法159条)

 

一見矛盾するかもしれませんが、法律では良くあることです。不貞行為が認められる以上、配偶者へ慰謝料請求できる可能性が残されているので、決してあきらめることはありません。浮気の証拠を探し、過去の事実を明らかにしましょう。