「テレクラ」から始まり、男女の出会いをサポートするサービスはどんどん進化して、マッチングアプリやSNSなどで、誰でも簡単に見ず知らずの人と出会えるようになりました。問題なのは既婚者です。独身時代にはまった秘密の出会いが忘れられず、結婚してもちょくちょく利用するのは問題です。
性の快感よりも、承認欲求が充たすために
リアルの出会いでは、全く異性に相手にされず、自信がなくて積極的になれない人でも顔が見えないだけに、気軽にアプローチできるのがメリットでした。性欲の充足が一番の目的ですが、現実世界では充たされていない人も、一時といえども異性に相手にされることで承認欲求が充たされます。
しかし、それは本当の現実の出会いではないので、一瞬で終わります。また充たされるため新たな出会いを求めてまたアプリにかじりつくというワケです。
肉体的快楽を伴いつつ、自分が認められているという安心感も得られる。
実人生では仕事でもプライベートでもそこまで充足感を得られる人はほんの一握り。多くの人は心の中に空洞を抱えています。
出会い系を通じて、本当に交際の末に結婚した人もいます。しかし、多くの人は1回限り、短い期間で出会いと別れを繰り返していきます。
二股、三股は当たり前になり、モラルが麻痺する
やはり、リアルの交際ではないので、なかなか絆も実感できずに、もしかしたら、「この出会いもすぐに壊れるかもしれない」と感じて、保険も二股も三股もかけるようになります。
リアルの交際であれば、「とんでもない浮気者」となりますが、元々の出会い自体が実体のないものなので、交際している実感もなければ、浮気している実感もないのです。
当然ながら、結婚や通常の男女交際でこんな理屈は通りません。
「セックス依存症」のように四六時中性的な快楽を求めるほどではないけど、酒やギャンブルと同じように、日常生活とかけ離れた刺激があり中毒性があります。
結婚した後も、出会い系のモラルのままだと、結婚生活が破綻するのは目に見えています。
後腐れない出会いでも離婚は成立するのか?
出会い系で後腐れない場合の密会は離婚の理由になり、慰謝料請求もできるのでしょうか?
基本的に1回限りの不貞行為では、離婚を継続しがたい理由とは認められません。
複数回の反復的な不貞行為である必要があります。
お互いに恋愛感情もないので、金銭は伴わないものの風俗と同系の遊びと認識されてしまいます。
あまりにも頻繁に異性との性交渉を繰り返していれば「結婚を継続しがたい重大な事由」とみなされ、離婚理由になる可能性も高いでしょう。