コロナ感染が拡大して止まりません。
世論のほとんどがオリンピック反対のムードだったのに、金メダルラッシュが続くと、いつの間にか、オリンピックムードでコロナの報道も半減し、感染の不安が 以前より薄まった気が……
感染が拡大している現実は変わらないのに、以前の不安はどこへ言ってしまったのでしょう。
上手に情報をすり替えて大衆の心をコントロールしているような気がします。
「情報操作」による事例を考察します。

 

情報操作で人の心をコントロールスピンドクターとは?

 

世の中とは真逆の母が子を捨てる情報操作

 

毎年に夏になると炎天下の車中に閉じ込められた乳幼児が熱中症で死亡し、母親が逮捕されます。
その報道では必ず母親は何をしていたのかと責められますが、芸能界では事情が逆のようです。
フランスに在住していた作家辻仁成さんがひところ女性化したと話題になってマスコミに騒がれました。
辻さんの性癖が変わったなどとおもしろおかしく書かれていましたが真相は別の所にありました。
しかし、実は当時辻さんと結婚していた元人気アイドルが、夫と子供がいながら不倫中。
元アイドルの所属事務所があたかも離婚原因が辻さんにあったかのような報道で、元アイドルの落ち度を上手にうやむやにしました。
元アイドルは現在も女優として日本で活動しており、辻さんはパリで子育てをしながら活躍中です。過失があった方もうやむやになると、世間は忘れてしまいます。
情報操作の失敗例が福原愛さんです。
当初は夫の江宏傑さんのモラハラがアピールされ、あたかも江さん側が一方的に悪い報道されていましたが、福原さんの密会騒動が持ち上がり、逆に福原さんのイメージがダウンしました。
その後、市村正親さんと篠原涼子さんの離婚が発表されました。
篠原さんが家を出て行きずっと別居状態で、子育てはもっぱら市村さんがしていた
そうです。普通なら篠原さんが悪、市村さん正義みたいな報道のされかたをしてもおかしくないところですが、お互いに芸能陣で悪い情報はどっちの得にもならないことを知っています。
泥仕合にせずに円満に別れたようにして、子供も傷つけないようにする。
市村さん側が偉い気がします。
また、篠原さんクラスの大物芸能人になったら、既に悪口が書けないのかもしれません。不倫問題が浮上してもビクともしなかった落語家さんや歌舞伎俳優に似た貫禄・風格を感じます。

 

あいつぐ開会式関係者の辞任も情報操作?

 

オリンピック開幕直前になって開幕式の関係者があいつぐ過去の悪業?が暴かれて辞任しました。
過去の過失はいずれも20年以上昔のことでしたが、現在のモラル基準から考えると許されないことだと言うのも分かります。
しかし、その騒動の最中にも、コロナによって窮地に立たされる人々は相変わらずいたにも関わらず、うやむやになってしまいました。
その間には西村経済再生大臣の飲食店の締めつけが糾弾されていましたがうやむやになりました。
現職の経産官僚の給付金の不正受給で逮捕されています。
こちらの方がよっぽど追求されてもおかしくないのに、うやむやになっています。

 

金メダルラッシュでコロナの不安も吹き飛ぶ?

 

情報文化研究所著「認知バイアス事典」によると「気分一致効果」というものがあり、人は悲しい気持ちとうれしい気持ちを同時に感じることはできないそうです。
日本人選手が金メダルをとって「万歳!」と喜んでいるときに、いくらコロナ感染者が何千人! という情報が入ってもうれしいという気持ちを打ち消すことはできないのです。
日本で開催されて、コロナ禍で参加できない国、練習やコンディションが不十分な参加者もおり、日本のメダルラッシュが想像できます。
そんな時に、ネガティブな報道があってもなかなか辛い目に遭っている人の気持ちや私たち自身が自粛する気持ちにはなかなかなれないものです。
なんとなくウキウキすると、家に引っ込んでいるよりも外に出たくなるのが人間の心理です。
これも「認知的不協和」と言って、自分の心理の整合性を保つために、自分の気分に理屈をつける。
理屈をつけてオリンピック反対派からオリンピック擁護派に切り替わります。

 

家族間のトラブルも情報操作のドサクサで回避される?

 

「気分一致効果」は家庭内でも同じで、もしパートナーが浮気している?と思っても、パートナーの昇給や昇進、または子供が賞をもらった、受験に合格したなど喜びごとがあったら、喜びごとと同時に不安になったり、心配したりできずにうやむやになります。
ひょっとしたら、家庭内で不穏な空気になったらパートナーは上手にサプライズのプレゼントをしたり、食事に誘ったりとあなたのご機嫌をうまくコントロールして、疑う気持ちを情報操作しているかも……疑えばきりがありませんが、多少は疑う気持ちがあった方が人生の思わぬつまずきを回避できるかもしれません。
大きくとりあげられそうなニュースが意外にそこまで盛り上がらず立ち消えになり、その直後に全く違う報道が盛り上がったときには情報操作を疑ってみてください。