アメリカの刑務所ではおいてはいけないと言われる禁断の書「権力に翻弄されないための48の法則」解説第7弾。
今回は第4の法則をお送りします。
提言 法則4 必要以上に多く語るな
言葉で感銘を与えようとして多くを語れば語るほど、人からは凡庸に見られ、相手を支配しにくくなってしまう。
たとえ陳腐なことを話していても、曖昧で、断定的でない、スフィンクスの問答のような話し方とすれば、独創的なことを言っているように聞こえるものだ。
パワーのある人間は、物言わぬ事によって相手を感動させ、威嚇する。
逆に、多くを語れば語るほど、愚かなことを口にする確率が高くなる。
多くは語らない方が神秘性が増す
最近ではドラマや映画がスタートする前に、必ず出演者がバラエティ番組に作品の宣伝を兼ねて出演します。
昔の映画スターは私生活が謎で神秘性がありました。
その代表的な例が高倉健さんです。
健さんの私生活は謎に包まれていて、寡黙でした。
だからこそ、最後の大スターとして人々の記憶に残っています。
一方、今の俳優さんたちは、頻繁にバラエティ番組に出演し、その私生活を語り、親しみやすさを強調して、ファンに共感を得ているようです。
どちらが良いとは言えませんが、神秘性や偉大さを強調したければ、寡黙な方がいいようです。
「荒野の用心棒」に出演したクリント・イーストウッドは台本にあった台詞を自らカットするように要求しました。
そのせいか映画の中でのセリフは少なくなりましたが、少ない台詞が印象に残り、その強さが強調されました。
「荒野の用心棒」のスタイルが「北斗の拳」の主人公ケンシロウに投影されています。
本当に寡黙男子はモテるのか?
チャラチャラと気軽におしゃべりができる男子は親しみが持てるかわりに、
「遊んでそう」
とか
「チャラくて、仕事も手を抜きそう」
など、喋りすぎるとアラが出て、悪く見られる傾向があります。
逆に無口なタイプは黙っているだけで、「誠実そう、真面目そう、」いいように相手に解釈してもらえて得な気がします。
とはいえ、見た目が残念な人が、黙っていると気持ち悪がられたり、怖そうに思われたり、ロクなことはありません。
とかくしゃべりすぎると、ボロが出てしまうので、よほどの上級者じゃないと、喋りで自分も信頼させるというのは難しいようです。
黙っている方がボロが出ないのは確かなようです。
例外 しゃべくりで相手を油断させる
寡黙であることで力が増すのは、権力者や、大スターなどすでに権威がある人でしょう。
あからさまに恐怖で相手を支配するのは、モラハラパワハラ、今では通用しない手段かもしれません。
こんなに問題になりながらも後は立ちません。
無自覚に相手を上から押さえつけるようという人は無くならないようです。
でも、自分がやってしまうのは絶対NGです。
となると、必要なアプローチは寡黙とは逆におしゃべりで相手の気持ちを開くこと。
テレビのバラエティ番組のMCは、ほとんどこの形ですね。
ひところいたワンマン型のパワハラ、セクハラになりかねない司会者の人はいつのまにか消えてなくなりました。
第一線で、長く活躍している明石家さんまさんなどは、しゃべくりで自分より目下の人や、テレビの専門ではない評論家の人達をうまくリラックスさせて、話題を引き出しています。
禁断の書では、
・わざと道化師を装い、自分が王よりも賢いことを悟られないようにする。
・しゃべりで相手の注意をそらして、本来の目的の煙幕をはる。
人はなぜかよくしゃべる人を、自分より頭がよくないと見るようです。
そこにつけいる隙ができます。
寡黙とおしゃべり本当はどっちがいいの?
今回の法則では、寡黙の方が権威がるように見えると言う一方、おしゃべりで相手を油断させろとも言います。
現在の我が国の総理大臣は無表情で棒読みと呼ばれています。
平穏無事な時であれば、優秀な首相であったと評価されていたかもしれません。
しかし、世界が混乱に陥っている未曾有の危機の中で対応能力がないことがバレてしまいました。
禁断の書の金言では、部下よりも先に口を聞いてはいけないとあります。
しかし、最近の部下は、コミュニケーション下手で自分から相談に来ない人もいます。
上司の方から話しかけ、話しやすい雰囲気に持って行かないと、仕事はうまくいかないでしょう。
現代の現実に照らし合わすと、法則の例外の方が重要になっているようです。
逆に言えば、口のうまい人にうっかり騙されないように注意しないといけないということですね。
まとめ
今回は禁断の書の法則4についてお伝えしました。
とかく人間は、黙っているものに対して神秘性や威厳を感じがち。
それに騙されないように、見る目を養うことが大事なようです。
またよくしゃべる人にも注意が必要で、人を騙すテクニックがより巧妙になってきました。
コミュニケーション能力は現代において重要な武器になりました。