アメリカの刑務所ではおいてはいけないと言われる禁断の書「権力に翻弄されないための48の法則」解説第4弾。
長い序章が終わり、今回からいよいよ本章には入っていきます。

 

禁断の書から悪に騙されない秘訣を探るその4

 

法則その1 主人より目立ってはならない

 

主人と言えば、今では会社の直属の上司でしょうか?
上司でなくても、親、兄弟、先輩、同僚、はては妻? 相手があなたより方が上だと思っていたら、もし目立つ行動をすると、必ず目障りになって、妨害活動をしてきますよ。

最近なにかのトラブルに見舞われたり、計画したことが頓挫したりしていたら、まわりで根回しされているかもしれません。

提言

 

目上の者には、常に優越感を持たせ、気分よくさせておけ。
目上の者を喜ばせて好印象を与えたいなら、自分の才能をひけらかしてはならない。
さもないと、逆効果になる恐れがある。
相手は恐怖を覚え、我が身の不安を感じてしまうだろう。
主人を実際よりも優れた人物に見せるよう心がけよ。
そうすれば、何自分が最高のパワーを手に入れられる。

第3の法則の注意点1素顔でいるだけで才能のダダ漏れは要注意!

 

禁断の書の原書では、ほとんどの事例が欧米のものです。
この記事ではわかりやすく日本の事例を紹介します。
主人より優れた才能をしめして滅んでしまった日本代表は源義経です。
兄頼朝が鎌倉幕府を開けたのも源平の戦いで弟義経が頑張ったおかげ。
しかし義経は目立ち過ぎました。
戦場で数々の勲功をあげて、その名が天下に轟きました。
その評判は頼朝をしのぐほど……
義経自身は別に天下を取ってやろうとか、またはお兄さんに褒められたいとか、そんな下心はなかったと思います。
天才的に戦が上手だったので、気がついたら手柄をあげちゃった位かもしれません。
でも、目立ちすぎです。
戦争をしている時には役に立ちますが、いざ平家を打ち倒してからは、自分より才能があり、目立つ弟は目障りでしかありませんでした。
それなのに義経は兄が自分をどう思っているのかなど、気にもかけずに、いつも通りに振るまった。
これが命取りです。
特に才能がある人は、まわりの空気を読めないきらいがあります。
自分がやった!と成功して喜んでも、どういう目で周囲の人が見ているか観察してみましょう。

 

第3の法則の注意点2・主人に可愛がられているからと言って何でも望み通りになると思ってはならない

 

上司に愛されてるからと言って、なんでもやっていいわけではありません。
特に多少のミスや失言などは許してもらえるかもしれませんが、一番やってはいけないのが上司より自分の方が偉いという素振りを見せることです。

その失敗事例の最たるものが豊臣秀吉時代の千利休です。
上司の寵愛を受けて、まるで上司の権力をそのまま自分を持ったように勘違いしてしまうのです。
千利休は秀吉に茶を教える身分になったことで、秀吉よりも自分の方が上であるとおごっていたと言われています。
実際にそれらしい証拠も残っているらしいですが、真実ははっきりしません。
しかし、秀吉を怒らせてしまったのは事実です。
上司の目の前で、自分の才能をひけらかすのは危険であることが分かります。

 

上司が自分より劣って来たと思えば、迷わず追い落とせ

 

禁断の書ではさらに、もし上司が自分より力が落ちていて、すでにその地位を保つ力がないのならば、密かに手を回して上司の失墜を速める工作をしなさいと言います。
時期を見たら、上司より、有能であり、 敵であり、賢いことをアピールします。
もし上司がすっかり弱くなって失墜しそうだったら、そのまま成り行きに任せます。

上司がまだその地位にしがみつくようであれば、自分の方が有能だとわかっていても、辛抱強く機が熟すまで待ちます 。
焦らずに時を待てば、上司もやがて衰えて失墜するでしょう。
間違った行動にでなければ、途中で葬り去られることなく、自然と天下が転がりこんできます。

ここでの失敗事例は明智光秀ですね。
上司・信長は倒せたものの後が続かなかった。
自然に天下が転がり込んでくるのを待てず、自ら動いてしまいました。

成功事例は徳川家康です。
豊臣秀吉が天下を築いてからも、ナンバー2の地位に止まり、秀吉が死ぬまでその本心は決して明かしませんでした。
秀吉が衰えてからも、けして動かずに待ちました。
約400年前のことですが、タイムマシンで現代に来て、禁断の書を読んでいたとしか思えません。

 

まとめ

 

今回は禁断の書の第1の法則・主人より目立ってはならないをお伝えしました。

禁断の書はイメージとして、主人を太陽に例え、 星である部下は太陽の動きを邪魔してはいけないと警告します。

それは一見、弱々しい卑屈な態度にみえますが、

「自分の強さを隠すことが最終的なパワーにつながるならそれは弱さではない」

と教えています。

まずは、上司より目立たないことを心がけたいですね。